旅の足跡
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Author:tabito
国内旅行業務取扱主任者、一般旅行業務取扱主任者の資格を取得。全国47都道府県、世界約30ヶ国を旅する。日本の鉄道全線踏破を目標としているが、相次ぐ新線開業に加え、多忙につき足踏み状態。



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五能線♪
リゾートしらかみ みちのく温泉 不老ふ死温泉

東能代12:14(リゾートしらかみ3号/8523D)13:21ウェスパ椿山…みちのく温泉…不老ふ死温泉…艫作7:31(521D)7:43深浦10:52(リゾートしらかみ1号/8521D)13:30青森

 五能線の看板列車となった「リゾートしらかみ3号」で東能代から旅を始める。五能線に初乗りしたのは10年近く前のことで、当時は「ノスタルジックビュートレイン」で五所川原から東能代へと辿ったので、今回は逆コースを試みた。

 2月の日本海は荒れることも多く、今回の旅の目的の五能線や不老ふ死温泉も天候次第では台無しになってしまうのだが、幸いにも天候は薄曇り。旅に支障を来すような天候ではないのでまずはひと安心だ。

 「リゾートしらかみ3号」はしばらく能代の住宅街や畑の中を走った後、日本海に対面する。あきた白神で女性の駅長がお出迎えとアナウンスするので、ホームに注目したが、お歳を召された方で少々がっかり。県境を越えて青森県に入るとようやく荒々しい日本海の風景となり、五能線の旅らしくなってきた。列車も減速運転をするなど、車窓を楽しませる工夫をしてくれる。サンタランド白神や日本キャニオンで有名な十二湖を経てウェスパ椿山で今回初めての下車。こちらも女性駅長のお出迎えで、こちらは十二湖よりも若い駅長であった。

 まずは「リゾートしらかみ」をモチーフにしたスロープカーの乗車を試みようとしたが、次の発車時刻まで時間があったので、近所の昆虫館へ足を向ける。入場券はコテージのフロントで販売しているのだが、宿泊客の予約応対に付きっきり。まあ、それは仕方がないとしても、宿泊カードを記入している間に入場券を売ってくれればよさそうなものを知らん顔をする。次第にお金を出して見学するのがバカバカしくなって、そのまま昆虫館を後にした。

 ガラス工房で時間を潰してからスロープカーで展望台へ上がる。丘の上は強風が吹き付け、乗客はすぐに展望台へ入るように指示される。エレベータで展望台に上がればガラス越しに360度のパノラマ展望が待っていた。屋上にも出られるようなので、寒さを我慢して屋上へ。白神山地が雪化粧をしている姿をしっかりと眺める。

 冷えた体を温めるためにウェスパ椿山の鍋石温泉へ移動。ドーム型開閉式展望露天風呂と宣伝していたが、ドームは錆ついているし、なんとなくくたびれた雰囲気が漂っている。しかも、脱衣場では地元のおやじがタバコをふかしながら雑談をしており、室内に煙が充満しているという最悪の環境。昆虫館での対応といい、あまりいい印象を受けずにウェスパ椿山を後にする。このままでは閉鎖されるにも時間の問題ではなかろうか。

 不老不死温泉で1泊し、海辺の温泉を楽しんだ後、列車で深浦へ。600円の3館共通入場券を購入し、風待ち館、太宰の宿ふかうら文学館、深浦町歴史民俗資料館・美術館を見学する。金木の太宰治の生家よりも、ふかうら文学館の方が趣きがあって、作品「津軽」を通じて、太宰治の世界を垣間見ることができた。

 深浦からは再び「リゾートしらかみ1号」に乗車。千畳敷などしばらくは冬の日本海の景観を楽しめる区間が続く。本来なら途中下車してみたいところだが、列車の本数が少ないので諦める。その代わりに鰺ヶ沢から五所川原間では津軽三味線のミニコンサートが催され、陸奥森田から弘前までは津軽弁の語りべが乗車し、津軽地方に伝わる昔話を披露してくれる。おかげで退屈しない時間を過ごしながら五能線の旅を終えた。

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テーマ:鉄道旅行 - ジャンル:旅行

不老ふ死温泉♪
不老ふ死温泉 不老ふ死温泉


 念願の黄金崎不老ふ死温泉を予約したのは3ヵ月前の昨年11月。いつもは旅の直前に宿を手配することが多いのだが、今回は3連休に当たるので早めの予約を済ませた。不老ふ死温泉はしばしばメディアにも紹介されており、古くから存在を認識していたが、学生時代に宿泊を試みたときは、夏休み期間中であったこともあり満室であった。

 不老ふ死温泉は日本海に沈む夕陽が見られる秘湯として有名で、露天風呂が波打ち際の岩場に設置されている。そんな状態だから、波の高いときは露天風呂に容赦なく波が打ち寄せるため入浴が禁止される。冬の日本海は荒れることが多く、予約時にも露天風呂に入れないこともあると念を押された。

 風は強かったが、幸いにも温泉は無事で、部屋に荷物を置くとすぐに露天風呂を目指す。フロントには日没時刻が記載されており、本日は17時09分となっていた。浴衣姿で凍えながら遊歩道を歩き、海辺の露天風呂へ。脱衣籠に浴衣を脱ぎ捨て、茶色い湯に浸かるとぬるい。源泉の温度は49度であるが、熱くて入れないので水で温度を調節しているようだ。それにしても、この温度ではじっくり温まらないと湯から上がることもできそうにない。

 海辺のビューポイントを確保して、日没を待つ。少々雲が多いので、きれいな夕陽を眺めることはできなかったが、雲の隙間から日没の様子を確認できたので満足する。海辺の露天風呂は、暗くなるまで入ることができるので、周囲が暗くなるまでゆっくり過ごす。

 露天風呂は混浴と女性専用の2つが用意されているが、混浴の露天風呂に女性の姿はない。連休中なので日帰りも含めて入浴客が多く、たまにひょうたん型の湯船をのぞきに来る女性客もいるが、男性ばかりが陣取っているのを見るとそそくさと女性専用の方へ逃げてしまう。事実上の男性専用露天風呂になっているので、混浴に挑戦するには相当勇気がいるだろう。もっとも、湯には入らないが、旦那と子供を探しに服を着たままでやってくる奥さんはいた。

 周囲が薄暗くなり、名残惜しさを感じながらも海辺の露天風呂を後にして本館の内湯へ。日没後の日帰り入浴は本館の内湯だけになるので、露天風呂からの引き上げ組を含めてかなり賑わっている。こちらも茶色い温泉であるが、少々熱めのお湯になっている。露天風呂からの帰り道で冷えた体もすぐに温まる。露天風呂ではシャンプーや石鹸の類が使えなかったので、こちらで体を洗ってさっぱり。

 夕食後は、宿泊者専用の新館の内湯へ。こちらには小さな露天風呂が設置されており、高台から日本海を見下ろすようになるのだが、海岸沿いにも灯りはないので真っ暗。ただ、風の音と波の音だけが静寂に響き渡る。こちらは再度、朝風呂を楽しみに来るのがよさそうだ。


黄金崎(こがねざき)不老不死温泉は海に沈む夕陽が見られる秘湯として有名な温泉だ。不老不死温泉のある青森県の深浦海岸は、日本海に面して岩礁や断崖が続く景色の良いところだ。

テーマ:温泉旅行 - ジャンル:旅行

みちのく温泉♪
みちのく温泉 みちのく温泉 みちのく温泉


 五能線のウェスパ椿山から歩くこと20分。大きな水車が目印のみちのく温泉へ向かう。堂々とした門をくぐり抜けると旅館の玄関があるが、こちらは宿泊客用の玄関で、日帰り入浴客は脇にある勝手口のようなところから入る。下駄箱が並んだ玄関で300円の入浴料を支払って館内に入ると、すぐに宿泊客専用の玄関に面したロビーに出た。宿泊客に配慮して、形式的に入口を分けているだけのようだ。

 浴場前の廊下に設置されているコインロッカーに貴重品を預けて脱衣場へ。さすがに連休中とあってそこそこの入浴客がいる。茶色の濁り湯は温泉成分の遊離二酸化炭素含有量が日本一とのことで、ホウ酸の結晶が浴槽についている。含有量が多い炭酸ガスの効果で毛細血管を広げ新陳代謝を促し、若返りの湯とも呼ばれているそうだ。肌も次第にすべすべしてくる。

 みちのく温泉には露天風呂もあり、内湯からちょっとした庭を通り抜けて離れの露天風呂へ。露天風呂も男女別ではあるが、内湯から露天風呂までの庭に視界をさえぎるものが少ないので、移動中に異性と出くわすこともある。露天風呂に入るためには女性は少々勇気がいるかもしれない。冬の寒空をタオル1枚で移動し、無人の露天風呂に飛び込むが、温泉はぬるめで震えがなかなか治まらない。目の前には五能線のレールがあり、タイミングが良ければ列車を眺めることもできる。ここからの夕日もお勧めスポットのことであるが、今日は別の夕日スポットが控えているので、またの機会に譲る。結局、露天風呂を利用したのは私だけで、女性用の露天風呂にもまったく人の気配がなかった。

テーマ:温泉旅行 - ジャンル:旅行

津軽鉄道♪
ストーブ列車① ストーブ列車②

津軽五所川原12:40(普通7)13:05金木…芦野公園14:35(ストーブ列車153)14:49津軽中里15:06(ストーブ列車154)15:55津軽五所川原

 2007年2月10日の正午に五能線で五所川原駅のホームに降り立つ。建国記念日を含む3連休を利用して、昨年の夏に続いて冬の東北へやってきた。今回は「日本海」ではなく、伊丹から朝一番のJALで青森へ飛んできた。一晩かけてやって来た昨夏と違って少々呆気なく感じる。今日の目的は津軽鉄道のストーブ列車だ。車両の老朽化により、今シーズンでの引退説も流れ、鉄道ファンでなくても知っている人が多い名物列車に今のうちに乗っておきたい。

 次の津軽鉄道は12時40分の津軽中里行き。待ち合わせ時間が40分近くあるので、駅から徒歩5分という手頃な場所にあった「立佞武多の館」へ足を運ぶ。600円の入館券を購入して展示室に入ると、高さ約22メートル、重さ約17トンの巨大な山車が展示されていた。五所川原では、平成10年に約80年ぶりに「立佞武多祭」が復刻され、この巨大な山車が五所川原市街地を練り歩いている。「青森ねぶた祭り」よりも迫力があり、「弘前ねぷた祭り」よりも優雅と自画自賛だが、平成14年以降は、東北三大夏祭りの「秋田竿灯祭り」の観光客動員数をしのぎ、「青森ねぶた祭り」、「仙台七夕祭り」に次ぐ東北第3位の夏祭りの地位を確保しているそうだ。

 のんびりし過ぎていたので、五所川原駅に併設された津軽鉄道の津軽五所川原駅へ戻ったときは、12時40分の発車時刻ぎりぎり。1両のレールバスは制服姿の高校生で混雑しており、前方のドア近くにあったわずかなスペースで大人しくしている。ストーブ列車を目的にしながらレールバスに乗り込むのも奇妙であるが、今回の旅で使用している津軽フリーパス(1,500円)は、途中の芦屋公園までがフリー区間であるが、ストーブ列車は利用できない旨の注意書きがある。芦屋公園の1駅手前は太宰治の斜陽館がある金木だし、レールバスで先行し、金木で観光をしてからストーブ列車を捕まえるという算段だ。

 レールバスを金木で乗り捨て斜陽館へ。レールバスには明らかに鉄道ファンと思しき連中もたくさん乗り合わせていたのだが、金木駅から斜陽館へ向かう同行の志は誰もいない。それでも斜陽館に着けば多くの観光客の姿があり、向いの駐車場には大型バスや自家用車が並んでいた。
 太宰治は名前こそ知っていたが、彼の生い立ちなどはまったくの無知で、斜陽館で初めて素性を知る。東北出身というだけで、なんとなく貧しい家の生まれと連想してしまっていたのだが、太宰治の父である津島源右衛門は明治の大地主で、太宰治はかなり裕福な家庭で育ったようだ。そんなことを知ってしまうと太宰治の作品もまた変わった視点で見えてくる。

 斜陽館の近くには津軽三味線会館があり、こちらものぞいてみれば、ちょうど津軽三味線の演奏中で、30分程度の生演奏を聴くことができた。演奏の合間に弾き手による津軽三味線の講釈もあり、津軽三味線が犬の皮で作られているそうだ。三味線と言えば猫の皮が一般的であるが、犬と猫でどのような違いが出るのかはさっぱりわからない。

 津軽三味線会館からは金木駅へ戻るのも芦野公園駅へ出るのも大した違いがないようなので、芦野公園を目指す。歩いている人が誰もいないのでにわかに不安になったものの、やがて津軽鉄道のレールが現れて安心した。

 雪に埋もれた芦野公園を散策しながらストーブ列車を待っていると、やがて汽笛が聞こえ、ストーブ列車の姿が遠方に現れた。ストーブ列車の正体はディーゼル機関車に牽引された雑客車であるが、JRでは客車列車自体が寝台特急ぐらいになってしまったので、希少価値がある。ドアはすべて手動で、ドアを閉める度にバタンと大きな音がする。建て付けが悪くなっているようで、しっかり閉めておかないと運行中にドアが半開きになるようだ。

 車内の座席はすべて埋まっていたので、最後尾のデッキに陣取る。最後尾といっても通常の中間車両で、通路に簡単な柵を付けているだけだから視界は良い。車掌がやって来たので津軽中里までの乗車券を購入。「落ちないように気を付けて下さいね」と言い残していった。展望車のようなデッキからの眺めは爽快で、寒さを忘れて津軽平野の景色を見入る。列車が駅に到着する度に車掌がバタンと大きな音を立てながらドアの開閉をするのが少々耳障りではあったが…。

 終点の津軽中里は意外にも住宅地にあり、北の果ての哀愁漂う雰囲気ではなかった。駅には大勢の観光客が待機しており、折り返しのストーブ列車が目的のツアー客のようだ。帰りは騒々しい車内を覚悟したが、ツアー客は3両目が割り当てられていることが判明し、まずは安心する。津軽五所川原までの乗車券を購入すると、今では珍しくなった硬券切符で嬉しくなる。どこの駅でも硬券入場券が売られていた時代は、よく入場券を購入していたものだが、JRで硬券切符の扱いが中止されると同時に切符を収集する慣習もなくなった。

 帰りはしっかりとストーブ脇の座席を確保する。さっそく、持参したスルメを焼き始める乗客がいて、車内にはスルメの臭いが充満する。車掌が定期的に炭火をくべる姿も風情がある。観光客の一部が一般車両にも乱入してきたので少々騒がしくなるものの、金木で一斉に下車してくれたので、車内に落ち着きが戻る。引退の囁かれるストーブ列車であるが、いつまでも残したい古き良き世界だ。

テーマ:鉄道旅行 - ジャンル:旅行





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