旅の足跡
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Author:tabito
国内旅行業務取扱主任者、一般旅行業務取扱主任者の資格を取得。全国47都道府県、世界約30ヶ国を旅する。日本の鉄道全線踏破を目標としているが、相次ぐ新線開業に加え、多忙につき足踏み状態。



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えちぜん鉄道♪
えちぜん鉄道


福井8:35(835M)9:23三国港9:33(932M)10:16福井口10:21(1017K)10:41永平寺口…永平寺…永平寺口12:41【12:50】(1217K)13:10【13:20】勝山…清大寺…勝山城博物館…みるく茶屋…勝山16:11(1610K)17:04福井

 高架駅となったJR福井駅から駅前ロータリーに面したえちぜん鉄道福井駅へ駆け込む。1,000円札を握り締めて窓口で「1日フリーきっぷ」(800円)を購入し、ホームに停車している列車に駆け込むと同時にドアが閉まる。なんとも慌ただしい旅立ちであるが、乗り換え時間が2分というダイヤなのでやむを得ない。京福鉄道時代も同様のダイヤで、かつてはJR線との連絡通路があったからよかったものの、福井駅の高架化に伴い2分の乗り継ぎは難しくなった。えちぜん鉄道もやがて高架化するとのことだが、しばらく先のことでもあるし、JRとの乗り継ぎを考えてダイヤ編成をしてもらいたいものだ。

 車両はセミクロスシートのMC6001形で、車内の雰囲気が京福鉄道と異なり新鮮である。えちぜん鉄道が発足したのは2002年9月17日。2000年12月17日に越前本線志比堺-東古市間、2001年6月24日に越前本線保田-発坂間でと半年に2度も列車の衝突事故を起して事業継続が困難となった京福電鉄から鉄道事業の譲渡受けて、2003年7月19日に一部区間の運転を再開し、同年8月10日に三国芦原線全線、同年10月19日勝山永平寺線全線の運転再開にこぎつけた。えちぜん鉄道は前身の京福電鉄時代に全線乗車済みであったが、新たに第三セクターとして再出発したからには乗り直すの筋であろう。それにしても旧国鉄やJRから第三セクターへの転換はよくあることだが、民鉄から第三セクターへの転換とは珍しい。民鉄が捨てたレールを第三セクター方式で建て直しができるのか興味があるところだ。

 三国芦原線の沿線は芦原温泉、三国温泉、東尋坊と沿線に観光要素が多いが、既に何度も訪問しているので今回は三国港までの往復に留め、乗り歩きのターゲットは勝山永平寺線とする。三国港で10分の滞在で折り返し、三国芦原線と勝山永平寺線の分岐となる福井口まで戻る。

 福井口から乗車した勝山行き1017K普通列車は立ち客が出る賑わい。前方の運転席の脇では熱心にビデオカメラで車窓を撮影している鉄ちゃんがいる。年齢的には私よりもかなり上の世代で、時折デジタルカメラでの撮影もするなど熱心なことだ。

 京福電鉄時代は東古市と名乗っていた永平寺口でかなりの乗客が下車する。年輩の集団は永平寺への観光客のようだ。かつてはここから永平寺まで路線があったのだが、利用客の少ない赤字路線であったことからえちぜん鉄道に引き継がれることなく廃止されてしまった。現在は京福電鉄バスが代替しているが、次のバスまで20分近くあり、年輩者の集団は早々にタクシーに乗り込んだ。しかしながら、永平寺まではバスでも片道400円と結構な料金で、貧乏旅行の私にとってはバスでも往復すればかなりの出費になる。そこでレンタサイクルを利用することにした。えちぜん鉄道では主要駅に無料レンタサイクルを設置しているのだ。

 「永平寺まではかなりの距離があるよ」と駅員に念を押されてから貸出簿に必要事項を記入する。名前と住所、返却予定時刻の他に行き先を記入する欄があるが、ほとんどの人が永平寺と記入していたので大丈夫だろう。鍵を受け取り、永平寺に向かって出発する。しばらく走ると永平寺線の廃線跡が残っており、レールも既に撤去されているが、バラストはきれいに残っており、その気になればいつでも列車を走らせることができそうな様子だ。

 永平寺が近付くにつれて坂道が急になり、息を切らせて永平寺門前に到着。駐車場はあるが駐輪場は見当たらないので、近くの永平寺郵便局に自転車を停めさせてもらって永平寺の境内に入る。かつて、京福電鉄で永平寺へやって来たときは拝観時間外であったため、中に入るのは今回が初めてである。500円の拝観券は自動券売機で購入するようになっており、合理的ではあるが永平寺には似合わない。宝物館琉璃聖宝閣を見学して、地下1階、地上4階の鉄筋コンクリート造の吉祥閣へ行くと参拝客は勧化室に集められる。しばらくすると修行僧が現れ、永平寺の概要の説明が始まった。

 永平寺といえば雪景色が似つかわしいが、残雪はほとんどなく、厳しい修行場という雰囲気がない。境内を散策して再び自転車で永平寺口へ戻る。今度は緩やかな下り坂なので自転車のスピードはぐんぐん出る。時計を見れば予定していた列車よりも1本早い列車に乗れそうだったので、永平寺口の駐輪場に自転車を返却し、ホームに居た駅員に「乗ります!」と声を上げる。「福井ですか?」との返事があったので「勝山です!」と返すと「これは福井行きですよ!」との返事。勝山行きは既に出発してしまったかと肩を落として福井行きを見送る。
「勝山行きは10分ぐらい遅れていますのでもう少し待って下さい」
事務室に戻って来た駅員から思わぬ言葉。遅れているなら慌てなくてもよかったなと思いつつ、勝山行きに間に合って時間を無駄にせずに済んだ。

 9分遅れの勝山行き1217Kに乗り込むと、車内にはブルーの制服を着た女性車掌が乗務していた。えちぜん鉄道が導入したアテンダントだ。アテンダントは切符や記念グッズの販売と観光案内、車内放送を担当するもののドア扱いは運転手の仕事になっている。それでもお年寄りには「今日はどちらまで行きますか?」と積極的に声を掛けており、地域密着型の鉄道としてモデルケースになりそうだ。
「勝山到着が10分ぐらい遅くなりますがバスへの乗り継ぎはございますか?」
わざわざ乗客1人ずつに声を掛けて回るきめ細やかなサービスが嬉しい。乗客の中には遅れの原因を気にする者もいたが、原因は車両故障とのこと。利用者も京福電鉄時代の正面衝突事故は未だに記憶に残っているようだ。

 勝山でもえちぜん鉄道の無料レンタサイクルを活用する。最初に目指すのは越前大仏で有名な清大寺だ。越前大仏の慶落は昭和62年5月28日と歴史が浅く、私人が私財を投じて建立したものだ。建立当時は高額な拝観料と駐車料金を設定したために非難が集中したが、現在では拝観料も800円まで引き下げられ、駐車場は無料で開放されている。

 駐車場の隅に自転車を停めて拝観券を求めると500円となっている。清大寺の境内には大仏殿の他に九龍殿、五重塔、日本庭園などがあるが、大仏殿以外の施設が積雪の影響で見学できないために割引されているという。目的は越前大仏なのでその他の施設にさして思い入れがあるわけでもなくよしとする。それにしても、永平寺では雪がほとんど積もっていなかったのに、勝山では雪はそこそこ残っており不思議なものだ。

 高さ52.12メートル、間口58.12メートル、奥行48.12メートルの大仏殿に入るとさすがに圧巻。日本一の大きさを誇る大仏様だけのことはある。大仏殿の壁面にも無数の仏像が安置されており、想像以上に手の込んだ建築物だ。当初の拝観料を高額に設定したかった気持ちもわからないでもない。越前大仏に対面したことで満足して、清大寺を後にした。

 次に目指したのは勝山城博物館。勝山城は今まで耳にしたことがなかったが、この地域を統治していた居城なのだろう。ところが、勝山城の近くまで来ると「平成の名城 勝山城」という看板が目に入る。なんとなく昭和の名城熱海城を連想したが、予感は的中した。勝山城の築城は平成4年とのこと。石垣から鯱までが57.8メートルと日本一の高さを誇る。清大寺でもらった割引券を利用して100円割引となった400円の入館料を支払うと使い捨てカイロを手渡される。利用者が少ないので城内の暖房を止めているそうだ。無駄に暖房を使うよりも経済的で環境にもやさしい。天守閣から勝山市街地を一望した後、古くは鎌倉時代の重要刀剣をはじめ日本全国から集められた歴史的文化遺産などが陳列する展示室を見て回る。出入口に戻ると昆布茶が振舞われた。

 帰りがけに勝山城博物館の駐車場内に構えるみるく茶屋へ立ち寄る。ラブリー牧場直営の新鮮なジャージー牛乳から作られるソフトクリームが人気の商品で、勝山城博物館よりも盛況なのだから驚く。バニラ香料さえ使わない、徹底した自然派無添加のジャージーソフトクリーム(350円)を試してみる。まさに牛乳そのものを食べているという感覚で濃厚な味がする。凝固剤を一切使用していないので、夏場はすぐに溶けてしまうであろう。昼食も食べる時間がなかったので、カスタードバナナ(400円)も注文。焼きたてのクレープにバナナを包んだ変わり映えの商品だが、カスタードクリームもジャージー牛乳を使用しているのだろう。こちらも濃厚な味で美味しかった。

 勝山城博物館を後にすると列車の時刻が迫ってきた。余裕があれば恐竜博物館まで足を運ぶつもりであったが、とても時間が足りない。急いで勝山駅へ向かって自転車をこいでいると急にガタガタとし始めた。嫌な予感がするのでタイヤを確認すると後輪がパンクしている。勝山駅まで3キロ近くあり、自転車をひいていては列車に間に合わない。やむを得ずパンクしたまま無理に自走していると、後輪のチューブがハブに絡まってしまった。最悪の事態である。これでは自転車をひくこともできない。その場で絡まっているチューブをハブからはずそうと試みるが、道具もないのでうまくいかない。やむを得ず2キロ近くを自転車を担ぎながら勝山駅を目指す。予定の列車にはもちろん間に合わないが、自転車の修理代ぐらい請求されるだろうなと思うと気分が沈んできた。

 汗まみれになって勝山駅に到着。駅員に自転車がパンクした旨を申告するが、「そうですか」と予想外のリアクション。「どうしましょうか?」とこちらが聞き返すが、「そのままでいいですよ」との返事。貴重な自転車が1台使えなくなってしまって申し訳ないなと思いつつも、列車の時刻になったので勝山を後にした。
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三国温泉のおすすめ情報 旅を連想するようなページにしようと思います。【2007/05/31 22:10】


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